届かない想い~3

今日はご近所のおじいちゃんのお話の最終話を書かせていただきます。

大切な日本地図を守ることができなかった
おじいちゃんは、あれから毎日家の片隅でしょんぼりしていました。

私を見つけると
「お前さん(涙奈)が、こんな(亡くなった人とも話せる)ことができるって
もっと前(生前)に知っていたら、
いろいろ聞きたいことや、伝えたいことがあったのになぁ。気づくのが遅かったわ。」

「言えなくてごめんなさい。」
って答えると

「でも、生きている時だったら、そんなこと信じなかったかもしれないから、
気にしなくていいんだよ。」

って私に言って、寂しそうに笑ったのでした。

そして、おじいちゃんのお家がどんどん壊されていく様子を
悲しそうに見守っていたのでした。

とうとう・・・家が全て壊される日がやってきました。

おじいちゃんは、心からの「今まで本当にありがとう」の気持ちを添え、
深々とお辞儀をして大好きなお家とお別れし、去っていきました。



あれから、数週間。
おじいちゃんは私の前には現れていません。

でも・・・おじいちゃんの大好きな家を想う気持ちは、
壊されていくお家にも届いたことでしょう。
だってお家もおじいちゃんに
「今までありがとう!」って言っていたのですから。

私もおじいちゃんの想いをいつの日かご家族に届け、
おじいちゃんを笑顔にしたいと思っています。

LUNA★涙奈